そっと笛に唇を寄せ。
今宵もまた、
静かに吹き始める。
紡ぎだされるのはその夜の空気の如く、澄んだ音色。
想いを馳せる相手には。
聞こえているのか、いないのか。
―待ち待ち過ごして早幾年(いくとせ)―
―何度花咲き散ったのか―
―未だ待ち人訪れず―
これは子守唄じゃないんだからね、アマテラス君。
ただただ心(しん)の奥にて語りかけるはただ一言。
早く帰っておいで―
2007/09/24