「…ねえルキア、それってホントにここなの?」
「ああ、確かにこのあばら家の噂だ。」
「…じゃあさ、その、あばら家に居た人たちってどうなっちゃったの?」
「さぁな。私も人づてに聞いただけだからな。
怖くなって逃げたか、それとも本当にその沢山の手に呑まれて消えてしまったのか
…叫び声を聞いた翌朝に近くの者が見に行くと忽然と姿を消してしまっていたそうだ。」
「…れ、レンちゃん…」
「…んだよ?聞きたかったんだろ、お前ら」
「…」

―数刻前―

「うーん…今日は雨がすげえから外で野宿ってわけには行かないな…」
「あ!レンちゃん!こないだ見つけた誰も住んでないあのあばら家は?」
「…ああ!あのすんげえブッ壊れた家か!屋根はしっかりしてたから、今日はあそこで寝るか!」
「そうしようぜ。こんなとこで寝てたら風邪ひいちまう」
「む?あばら家…?」

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「さあ!着いたぜ!皆、今日はここで寝るからな!!」
「「「おうッ」」」
「…!!このあばら家は…!」
「ん?どうかしたか、ルキア?」
「お前達知らぬのか?此処はな、巷では有名な幽霊屋敷なのだ」
「「「ゆ…幽霊屋敷ぃ!?」」」
「…うっせーぞお前ら。俺達だって尺魂界に送られて来た霊魂なんだから
皆言ってみりゃあ幽霊だろうが」
「でもでも、…ルキア、巷で有名ってどんな噂があるのか知ってるの?」
「ああ、知っておるぞ」
「じゃあさ、教えてくれよ、それ」
「そ、そうだよ!オレも知りたい」
「…おい、お前ら…」
「何だよ、レンちゃんだって知りたいだろ?」
「別に知りたかねー。興味ねーよ、オレは」
「…話して良いのか?」
「「「良いよ」」」
「(…止めときゃ良いのに…はぁ…)」
「ではな、これは私が聞いた話だが…」

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「…という話だ。」
血の気が引いている3人の顔を見て。
(…だから止めとけってのにこいつらは…)
「…?どうしたのだ、皆急に黙り込んで」
(こいつはこいつでわかってねえし)
「ね、ねぇレンちゃんやっぱり今日ここに泊まるのは」
「他に行くトコなんてねーだろ。どっか良いトコ知ってんなら別だけどよ」
「…」「…」「…」

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その晩。
いつもよりも何だか皆が固まってきて寝苦しかった恋次少年でしたとさ

(ルキア・恋次・天然パーマ少年・前髪で目が隠れてる少年・ガタイ良い少年の順に川の字で寝て自らを盾(壁?)にして不可侵領域(ルキア・ゾーン=ルキアの寝るスペース)は死守して寝た)


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戌吊キッズ、ドキドキ幽霊屋敷でお泊り大作戦★の巻。(違います)
イラストは真剣に怪談を話すルキア少女、聞いてる内に顔が強張ってきた3人、
どうせ怖くなるんだから聞かなきゃ良いのに何で聞きたがるんだこいつ等は…
とそんな3人に呆れ顔の恋次少年、という図です。
ルキアには悪意は全くありません。…善意もないと思いますが。

翌朝皆にひっつかれて寝苦しくて中々寝られなかった恋次に隈できたりして、
逆に超怖がってた3人(快眠)が
「あれ?レンちゃんすんごい隈出来てるよ…あッ、やっぱりレンちゃん怖くて寝らんなかったとか?」
「…ちげえよ…テメーらがこっちにベタベタしてくっから暑くて寝らんなかったんだよ!」
(ムカムカ怒りゲージMAX…多大に睡眠不足が影響)

ゲシゲシッ

「痛いよレンちゃん何するんだよ〜ッ!?」

「うっせー(怒)」

ベシベシッ

「朝からうるさいぞ、恋次」

とかやってると良いです。

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2009/05/06