ちょこんと座った見覚えのある背中。
大事そうにその膝に抱えられた物に目を奪われる。

―気味が悪い感じに自分そっくりの首人形に団子がブッ刺さっている。
その団子が一本ずつ抜かれてハイスピードで小さい口に一個ずつ消えていく。

「…おいやちる…なんだ、そりゃぁ」
一心不乱に団子を貪る少女に声をかける。
「剣ちゃん団子だよ!誰も買ってくんないからあたしが食べてるの!!」
団子から目線も離さず返ってくる返事。
「…」


「だからあれじゃぁ売れるモンも売れませんよっつったのに…」
「まぁ良いんじゃない?草鹿副隊長も食べたかったみたいだし」
「隊長にあれ作ったの俺だってバレたらどうすんだよ」
副隊長と隊長の様子を少し距離を置いて伺う三席と五席だった。



「―ん!剣ちゃんも一本食べる?」

此方を見上げる満面の笑みを浮かべたその顔。
口の周りもくわんくわん、一本団子を握った、タレでペタペタになった小さい手がニュッと突き出される。

「…」

今日はお祭り。



そんな感じで。
カラブリのお祭りネタは全隊好きです。


2009/04/22